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インストール作業

たいていの UNIX システムは、その導入時に既に多くのソフトウェアが用意されています。その用意されているソフトウェアだけでも十分に様々な用途に使用することはできるでしょう。
しかし、UNIX システムのスペシャリストである UNIX guru や wizard たち (*1) は、それだけに満足はせず、より便利で使い易いソフトウェアを作り出し、さらにそれを多くの人達も使えるように公開してきました。
*1 guru ともなると cat > でアセンブラコードを書けるそうです。さらに wizard になると cat > でデバイスドライバも書けるとか。:-)
これによって今日では非常に多くの、そして非常に便利なソフトウェアが存在しているのです。その数を正確に把握できている人は、おそらく世界中を探しても存在しないでしょう。広く公開されているものだけでもとうてい 100 や 200 で済む数ではないのです。
それらのソフトウェアは移植の容易さや改良のしやすさなどから、たいてい C 言語などのソースファイルの形で公開されています。
たんに UNIX システムと言っても Solaris, HP-UX, FreeBSD, Linux など (*2) があり、バイナリとなった実行ファイルは、それら全てで共通というわけではありません。ソースファイルで公開されていることによって、それら様々なプラットホームへの移植が容易にでき、そしてより便利に使うための改良などもしやすくなるのです。
*2 もちろんまだまだあります。例えば NetBSD, OpenBSD, BSD/OS, Digital UNIX, NextSTEP, AIX, Unix Ware, Sony NEWS, EWS4800, ...
その一方で、それらのソフトウェアを使うには自分の UNIX システムの環境に合わせてのインストール作業をしなければなりません。
では、そのインストール作業とは一体どういったものなのか。まずはその作業の主な流れを追ってみましょう。
まずは、当然ながらソフトウェアのソースファイルを取得しなければ話が始まりません。取得にはいくつかの方法が考えられます。例えば市販、もしくは雑誌や書籍に付属の CD-ROM などを用いる方法です。これは多くのソフトウェアのソースファイルを一度に取得できる良い方法でしょう。それ以外にもインターネット経由で FTP や WWW などを利用して取得することもできます。
次に、取得したソースファイルのアーカイブを展開します。たいていのソフトウェアは、複数のソースファイルやドキュメントを一つのファイル(アーカイブ)にまとめられ、かつディスク容量等の問題から圧縮されていることが多いです。
これを展開しなればいけません。詳しくは後述しますが、展開の方法は一つではありません。これはアーカイブの形式によるからです。最近よく使用されているのは複数のファイルを tar 形式でまとめ、gzip 形式で圧縮する方法です。これ以外にも compress 形式や bzip2 形式で圧縮する方法などが使われている場合もあります。
そして展開したあとは、ソースファイルのコンパイルです。たいていのソースファイルには README や INSTALL という名前のファイルが付属しています。この中にはそのソフトウェアの作者がまとめたコンパイルの方法や注意点が記述されています。これを読んで必要な作業を行ないます。
最後に、必要であれば設定作業を行ないます。比較的小規模のソフトウェアであれば特に設定作業は必要ない場合も多いです。もしくはコンパイル時の make install で基本的な設定作業は全て完了してしまうものもあります。しかし、例えば NetNews のサーバーや WWW サーバーなど規模の大きいソフトウェアは、環境やサイトのポリシーなどに合わせて、必ず設定作業が必要になります。
実は、インストール作業を行なうには、上記以外にも知っておかなければいけないことがあります。例えばネットワーク上でのソースファイルの所在を調べる方法、差分ファイルを使ったパッチのあてかた、コンパイルなどのログの取りかたなどです。
これらの作業の具体的な実行方法や、そのための基本的な知識を順に解説していきます。