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はじめに

最近 FreeBSD や Linux など、 いわゆる PC-UNIX がかなりメジャーになってきました。 書店などでも、そのコンピュータ関連のコーナーでは UNIX システムに関する書籍も多く見かけるようになりましたし、コンピュータとはあまり縁のなさそうな新聞や雑誌などでも取り上げられることも多くなってきたように感じます。
今日のように、多くの人達に UNIX システムが受け入れられるようになった理由の一つに、さまざまなソフトウェアが豊富に存在する、という点があると思います。例えば WWW や電子メールなどの各種サーバおよびクライアント、開発環境やグラフィカル・ユーザー・インターフェィスなどなど。
それらたいていのソフトウェアは、既に多くの人達の労力によってバイナリーパッケージが作成され、そして提供されているために、現在ではとりあえず使ってみたいという人にとっては非常に便利で楽になってきています。OS のディストリビューションによっては導入時に既にインストールされているものもあります。
便利で、しかも大変魅力的な各種ソフトウェアは、しかしその多くがソースファイルの形態で配布されています。したがって、もし不運にも自分の欲しいソフトウェアが誰にもバイナリーパッケージに作成されていない場合には、自分自身でソースファイルを取得し、コンパイルをし、設定するというインストール作業をする必要があります。
もしくは、ソフトウェアのより安定した動作を求めるために、まだバイナリーパッケージで提供されていない最新バージョンを使用したい場合にも、自分自身でインストール作業をしなければいけません。
このあたりが UNIX システムを使いたいと考えている初心者にとっては辛いところのようです。
既に誰かに構築してもらったバイナリーパッケージをただそのまま入れて使うのではなく、自分でコンパイルをしてそれを使うことはなかなかに楽しいものです。世の中には、そういうインストール作業に情熱をかたむけている人達がいます。「インストーラー」と呼ばれる人達です。
ソフトウェアのほとんどは、絶えず修正されバージョンアップされています。それらの動向に目をこらし、情報を集め、欲しいと判断すればそれらを取得し、インストールをする。場合によっては自らソースファイルを修正しなけばならないこともあります。コンパイルができても、思った通りに動作しない場合もあります。そのときはデバッグをし、バグ修正を作者にフィードバックもします。
「インストーラー」とは、そんな彼らに与えられる最高の尊称なのです。
(9 割増しくらいな表現を使っています。鵜呑みにしないように。:-)
著者の初インストール作業は、HP-UX 9.01 に日本語化のためのパッチをあてた less をインストールしたことです。もう 6 〜 7 年くらい前の話です。あれから様々なソフトウェアをインストールしてきました。あの頃に較べると、どのソフトウェアもインストールは非常に簡単になってきています。X 関係のソフトウェアは xmkmf と make のみ。GNU 関係のソフトウェアは configure と make のみ、というふうに。
インストール作業とは、コツさえ掴んでしまえばそう難しいことではないのです。
本書では、FTP などによるソースファイルの取得の方法、現在使用されている各形式でのアーカイブの展開方法、パッチのあてかた、コンパイルのしかたやその際のログの取り方など最初に基本的なポイントをおさえられるようにしています。その後に実際にいくつかのソフトウェアのインストールの方法や注意点を解説します。
本書が「インストーラー」を目指すあなたに、その手助けとなることができれば幸いです。
1999 年 6 月
よこた よしのり / yokota@yynet.tama.tokyo.jp